【2024年3月5日~3月19日】
早蕨は、万葉集に「萌え出づる
春になりにけるかも」と季節の
便りにも詠まれています。
よもぎ入りの薯蕷(じょうよ)生地で
こし餡を包み、春の色そのままに
淡い緑で染めました。
奈良の都から見て春を指す
東方に位置する佐保山には、
佐保姫という春の女神が
宿っていました。粒あんを
雪平と羊羹を重ねた生地で包み、
姫君の衣に見立てました。
山々が霞む春の景色はどこか
絵画を思わせます。羊羹と浮島で
その一面をかたどり、陽炎も
かすかに立ち昇る春霞の景色に
似せました。